結婚相談所の交際ルールが存在する理由
結婚相談所では『仮交際』と『真剣交際』という2つのステージがあり、各ステージには異なるルール体系が存在します。なぜ、このようなルールが必要なのでしょうか。
答えは単純です。結婚相談所は『結婚』を目指す人々の出会いの場であり、この過程で感情的なトラブルを最小化するためです。特に『真剣交際』のステージで、一方が複数の相手と交際を続けていることが発覚すれば、相手は深刻な心理的ダメージを受けます。結婚相談所のルールは『この心理的害を最小化する』ための基準なのです。
日本の主要な結婚相談所連盟は『IBJ(日本結婚相談所連盟)』『日本ブライダル協会』『TMS(日本結婚情報サービス調査研究機関)』などがあり、各連盟がルールを定めています。ただし、ルールの細部は連盟によって異なります。あなたが所属する相談所がどの連盟に属しているか確認することが、ルール理解の第一歩です。
仮交際のルール——複数交際・身体的接触について
仮交際は『相手を比較検討する期間』です。この段階では、複数の相手と同時に交際することが認められています。これは結婚相談所独特のシステムで、恋愛交際とは大きく異なります。
【仮交際で認められていることと制限】
◆複数交際について
仮交際中は、複数の相手と並行して交際できます。月曜日にAさんと会い、火曜日にBさんと会う、ということが可能です。これは相手比較の効率性と、自分自身の判断材料を増やすために認められています。
ただし注意点があります。IBJではルールブックに『相手に隠れて複数交際することは問題ないが、相手から聞かれた場合は正直に答える義務がある』と明記しています。つまり、『他の相手と交際していますか?』と聞かれて『いいえ』と嘘をつくことはNG。但し、主動的に『実は他の人とも会ってます』と伝える必要はありません。
◆身体的接触について
手つなぎ、腕を組む、キスなどの身体的接触は仮交際段階で認められています。これらは『交際の進展を示す行為』と位置づけられており、ルール違反ではありません。ただし、相手の同意がない状態での身体的接触は問題です。
◆メールやLINEの頻度
仮交際では『毎日連絡が必要』という義務はありません。ただし、相手が何度か連絡を試みて返信がない状況が続くと『脈なし』と判定され、相手は自動的に交際申し込みを終了する場合があります。最低限の返信は相手を尊重する行為です。
◆次のお見合いの約束について
仮交際中に『次、いつ会いましょうか』と約束するのは通常です。ただし、その約束を破ると『誠実でない人』という評価を受けます。約束できない日程なら『申し訳ありません、〇月〇日ならお会いできます』と代案を示すのがマナーです。
真剣交際のルール——唯一性と浮気について
真剣交際は『お互いに唯一の交際相手として約束した関係』です。この段階から、ルールの厳密性が大きく変わります。
【真剣交際で求められること】
◆複数交際の禁止
真剣交際が成立した時点で、他の相手との交際は終了しなければなりません。相手に『真剣交際をお受けします』と言った瞬間から、複数交際は違反行為になります。
ただし、相手の相談所にも報告義務があります。相手が『〇〇さんとの真剣交際がスタート』と相談所に報告すれば、その相手の相談所は『この人は現在真剣交際中』という記録を付け、新たなお見合い申し込みを受け付けなくなります。
◆他の相手との連絡の継続について
『別れを告げていない相手とのLINEを続けている』という状況があります。これがペナルティ対象になるかは『連絡の内容と頻度』によります。一度のお見合いで『やはり相手ではないな』と感じた人からの好意的なメッセージに返信するのは、グレーゾーンです。
ただ、相談所は『複数の相手と密な連絡を続けている』と判定したら、ペナルティ対象に考える場合があります。安全策として『真剣交際がスタートしたら、他の相手へのメッセージは礼儀正しい終止符を打つ』ことをお勧めします。
◆身体的関係について
IBJの公式ルールブックには『真剣交際中の身体的関係は交際者の自由』と明記されています。つまり、真剣交際がスタートして、相手と性的関係を持つことは、ルール上問題ありません。
ただし、相手が『まだ待ってほしい』と言っている段階で強要することは、当然ながら許されません。また、妊娠した場合は『結婚への約束』が自動的に生じます。相手の期待を裏切る結果になりかねないため、身体的関係の前に『結婚に向かう関係か』を確認しておくべきです。
◆婚約との違い
真剣交際と婚約は別です。真剣交際は『この人と結婚を目指そう』という約束ですが、婚約は『結婚日を決めた約束』です。真剣交際中は『やはり違う』と気づいて交際を終了することは、理由次第で許容されます。ただし、婚約後の破棄は『慰謝料請求される可能性』が生じます。
連盟ごとのルール差異と判定のグレーゾーン
日本の結婚相談所連盟は複数あり、各連盟が独自のルールを定めています。所属連盟によって『OKなこと』『NGなこと』の基準が異なる場合があります。
【主要連盟のルール比較】
◆IBJ(日本結婚相談所連盟)
IBJは日本最大級の相談所連盟で『仮交際中は複数交際OK、真剣交際中は一途』という明確な基準を持っています。身体的関係についても『交際者の判断に任せる』という緩やかな姿勢です。
◆日本ブライダル協会
連盟によっては『仮交際段階での身体的接触は避けるべき』という指針を持つ場合があります。キスについて『真剣交際まで待つべき』という厳格な指導をする場合もあります。
◆結婚情報サービス系
大手の結婚情報サービス企業の中には『アプリ型』と『相談所型』を融合させたハイブリッド型があります。こうした企業では『ユーザーの自由判断を尊重する』という名目で、ルールそのものを最小化している場合があります。
◆グレーゾーン判定
「相手に聞かれずに複数交際を続ける」「前のお見合いの相手からの連絡に返信する」「体の関係をどこまで進めるか」といった問題は、連盟の厳格さによって判定が分かれます。
判断に迷ったら『相談所に事前に相談する』ことをお勧めします。『こういう場合はどうなのか』と直接問い合わせることで、後々のトラブルを防ぐことができます。
ペナルティの種類と警告システム
結婚相談所のルール違反に対しては、段階的なペナルティシステムが設けられています。一般的には『警告→再警告→退会』というパターンです。
【ペナルティの種類】
◆警告(初犯)
『真剣交際中に複数の相手と連絡を続けていた』『お見合いの約束をドタキャンした』といった軽微な違反は、初犯なら『口頭指導』『書面警告』という形になります。相談所の面談で『今後は避けましょう』と指導を受けます。
◆再警告(2回目)
同じ類の違反を2回繰り返した場合は『再警告』となります。この段階で『更生の可能性が低い』と判定されれば、退会へ進むこともあります。
◆退会(強制退会)
悪質なルール違反や、警告後も違反を続ける場合は『強制退会』となります。強制退会後は『他の相談所に登録する際、この相談所から照会があるかもしれない』という懸念があります。実際には、各相談所が個別に判断しますが、業界内での信用を失う可能性があります。
◆悪質な違反(即退会)
『相手の知らぬ間に婚外交渉を持ち続けた』『複数の相手に同時に結婚を約束した』『相手に対する暴力やセクハラ行為』といった悪質な違反は『即座の強制退会』となります。
【ペナルティ回避のコツ】
1. 『今何をすべきか』を常に意識する:仮交際か真剣交際かで行動基準が変わります。段階を間違えないことが重要です。
2. 判断に迷ったら相談所に相談:『これはOKですか』と事前に質問することで、知らぬ間にルール違反することを防げます。
3. 相手への誠実さを最優先:ルール以前に『相手を傷つけない』という基本姿勢があれば、大きな違反は生じません。
4. メッセージの記録を残す:万が一『あの時〇〇と言った』とトラブルになったときのために、メッセージ記録を保管しておくと証拠になります。