公開:2026-09-08
更新:2026-09-08
結婚相談所の広告が審査に落ちる理由——不承認・アカウント停止からの復旧と予防運用
婚活・結婚相談所の広告は、各媒体でセンシティブカテゴリとして扱われます。審査に落ちやすい広告文・LPの表現パターンと書き換え方、アカウント停止からの復旧手順(再審査申請と異議申し立ての書き方)、そして停止リスクを分散する運用設計までを、実際に不承認になりやすい箇所を具体的に挙げながら解説します。
この記事の要点
- 婚活・結婚相談所は出会い系関連および個人的な悩みに基づくターゲティング制限の対象になりやすく、審査基準が一般業種より厳しい
- 不承認の大半はLP側が原因。運営者情報・特商法表記・プライバシーポリシーの3点欠落が最頻の落とし穴
- アカウント停止は原則1回のみ異議申し立てが有効。1回目で全論点を潰す必要があり、感情的な再申請は復旧率を下げる
- 媒体・アカウント・支払い手段・流入経路を分散し、広告依存度を50%以下に保つことが最大のリスク対策
なぜ結婚相談所の広告は落ちやすいのか——媒体側の分類を理解する
結婚相談所の広告運用でつまずく相談所の多くは、「自分の広告文が悪い」と考えて文言だけを直し続けます。しかし実際の原因は、業種そのものの分類にあることがほとんどです。
主要な広告媒体は、広告主を業種カテゴリに分類し、カテゴリごとに異なる審査基準を適用しています。婚活・結婚相談所は、次の2つのカテゴリに近い扱いを受けます。
カテゴリ1:出会い・交際関連。媒体によっては事前の認証や追加審査を要する領域です。マッチングアプリと同一カテゴリで判定されることがあり、性的な示唆、身体的特徴への言及、過度に親密さを強調する表現が強く制限されます。
カテゴリ2:個人的な悩みに基づくターゲティング制限。恋愛状況、婚姻状況、経済的な困難といった「本人が知られたくない属性」を推定してターゲティングすることが制限されています。これは差別的な配信を防ぐための制限で、「独身」「未婚」「離婚」といった属性を狙い撃つ設計が使えないことを意味します。
この2つを理解していないと、「なぜこのターゲティングが使えないのか」「なぜこの表現がだめなのか」が分からないまま、試行錯誤を繰り返すことになります。
もう1つ重要なのは、審査対象が広告文だけではないことです。審査の範囲は次の4層に及びます。
広告文とクリエイティブ(見出し、説明文、画像、動画)。
リンク先のLP(表示内容、必要ページの有無、遷移の挙動)。
サイト全体(LPからリンクされている他ページ、運営者情報)。
アカウントと事業者情報(支払い手段、請求先、事業実態)。
不承認の原因の6〜7割は2層目と3層目、つまりLP側にあります。広告文を10回書き換えても通らないのは、直している場所が違うからです。
本記事では、広告の費用対効果ではなく、「そもそも配信を止められないための運用」に絞って扱います。CPAの改善はリスティング広告の運用ガイド、入札とキャンペーン設計はGoogle広告運用、SNS広告のターゲティング設計はMeta広告運用を参照してください。
広告文を何度も直しているのに通らないとき、犯人はほぼLPです。まずリンク先を点検してください。ここに気づくまでに数週間を溶かす方が本当に多いです。
審査に落ちやすい広告表現——不承認になる7つのパターン
実際に不承認になりやすい表現を、頻度順に整理します。同時に、通る形への書き換え方も併記します。
パターン1:成果の断定。「絶対に結婚できる」「必ず成婚」「1年以内に結婚保証」。成果を保証する表現は、媒体審査でも景品表示法でも問題になります。
書き換え:「入会から成婚退会までの平均活動期間は13ヶ月です(当社2025年実績)」。実測値と出典を添えた事実の記述に置き換えるのが基本形です。
パターン2:No.1・最高級表示。「地域No.1の成婚率」「業界最安」。調査の出典・期間・対象・方法を明示できなければ使えません。
書き換え:「当社の2025年の成婚退会者は22名でした」。順位ではなく実数で語ると、審査も法令も同時にクリアできます。
パターン3:不安を煽る表現。「このままでは一生独身」「40代からでは手遅れ」。個人的な悩みを利用して不安を惹起する表現は、多くの媒体で明確に禁止されています。
書き換え:「40代からの婚活で、最初にやるべき3つのこと」。問題提起ではなく情報提供の形に変える。
パターン4:身体的特徴・容姿への言及。「美人が多い」「ハイスペック男性多数」。差別的または性的な示唆と判定されます。
書き換え:「登録会員の平均年齢は男性38歳、女性35歳です」。属性は数値で示す。
パターン5:性的な示唆。「出会える」「デートし放題」といった表現は、出会い系サービスとの区別がつかないため不承認になります。
書き換え:「専任カウンセラーがお見合いを設定します」。サービスの機能を書く。
パターン6:料金の不明瞭な表示。「月額9,800円〜」の「〜」だけで総額が分からない状態。特商法上も媒体審査上も問題になります。
書き換え:「初期費用13.2万円+月会費1.65万円(税込)。成婚料22万円」。総額が把握できる形で書く。料金設計そのものは料金設計ガイドで扱っています。
パターン7:他社の誹謗。「アプリでは結婚できません」「大手相談所は放置されます」。比較広告として不適切と判定されます。
書き換え:「マッチングアプリとの併用も可能です」。他社を下げずに自社の機能を語る。
この7パターンのうち、パターン1・3・6が3大原因です。まずこの3つを自社の広告文とLPから排除してください。
表現の法的な線引きについては消費者庁(景品表示法)と消費者庁(特定商取引法)が一次情報です。関連する実務は広告表現で注意すべきこと、認証や受賞をどこまで訴求してよいかは表彰・認証を集客に活かすで詳述しています。
「成果を書かないと訴求力が落ちる」と言われるのですが、実測値のほうが強いです。「絶対結婚できます」より「去年22名が成婚しました」のほうが、人は信じます。
LP側の必須要件——ここが欠けていると何を書いても通らない
不承認の主因はLPにあります。まず点検すべき必須要件を、欠落頻度の高い順に挙げます。
要件1:運営者情報の明示(欠落頻度:最高)。事業者名、代表者名、所在地、電話番号、メールアドレスを記載したページが必要です。LPの1枚ものだけを作り、会社情報のページを用意していないというのが最頻の欠落です。
個人事業主の場合、屋号だけでなく代表者の氏名が必要です。自宅を事務所にしている場合の住所表記は悩ましいところですが、バーチャルオフィスや貸会議室の住所を、実態がないまま記載するのは避けてください。事務所の考え方は面談スペース・オフィスの選び方で扱っています。
要件2:特定商取引法に基づく表記(欠落頻度:高)。結婚相談所は特定継続的役務提供に該当するため、役務の内容、期間、対価、支払方法、中途解約の条件、クーリングオフに関する事項の記載が必要です。広告審査でも、この表記の有無が確認されます。
要件3:プライバシーポリシー(欠落頻度:高)。問い合わせフォームで個人情報を取得する以上、取得目的、利用範囲、第三者提供の有無、開示請求の窓口を記載します。個人情報保護委員会の指針を踏まえた記載にしてください。運用面は個人情報保護の5つのルールにまとめています。
要件4:料金の明示(欠落頻度:中)。「詳しくはお問い合わせください」だけで料金を一切示さないLPは、審査で問題になります。少なくとも初期費用と月会費のレンジは示してください。
要件5:広告文とLPの内容一致(欠落頻度:中)。広告文で「初回相談無料」と書いているのに、LPに記載がないといった不一致は不承認の理由になります。
要件6:フォームの動作。送信できないフォーム、エラーになるページは審査で落ちます。審査は実際にページを開いて確認されます。
要件7:SSL対応。https化されていないページは、フォームがある場合ほぼ確実に落ちます。
点検の手順は単純です。LPのURLをシークレットウィンドウで開き、フッターから運営者情報・特商法表記・プライバシーポリシーの3ページに到達できるかを確認します。到達できなければ、それが不承認の原因です。
LP構成そのものの改善はLP改善ポイント、サイト全体に必要な要素はホームページに必要な5つの要素を参照してください。CVR改善の前に、まず配信が止まらない状態を作ることが先です。
シークレットウィンドウで自分のLPを開いて、フッターから3ページに行けるか確かめる。これだけで原因が分かる相談所、かなり多いです。所要15分です。
不承認になったときの復旧手順——5ステップ
広告が不承認になったときの対処を、順序どおりに実行します。焦って再入稿を繰り返すのが最も遠回りです。
ステップ1:不承認理由を正確に読む(所要10分)。管理画面にはポリシー名が表示されます。「不承認」とだけ見て終わらせず、どのポリシーに抵触したかを特定してください。ポリシー名が分かれば、媒体のヘルプで該当条項の詳細を確認できます。
ステップ2:対象範囲を切り分ける(所要30分)。不承認が広告単位か、広告グループ単位か、アカウント単位かを確認します。
広告単位なら広告文かクリエイティブ、複数広告が同時に落ちているならLP側、アカウント全体なら事業者情報か重大な規約違反、というのが切り分けの目安です。
ステップ3:原因を是正する(所要1〜3日)。ここで「とりあえず表現をマイルドにして再入稿」をしないこと。原因を特定せずに直すと、同じ理由で何度も落ちます。
LP側を直した場合、媒体のクローラーがページを再取得するまで数時間から1日かかります。直した直後に再申請すると、古いキャッシュで再審査され、また落ちます。
ステップ4:再審査を申請する(所要10分)。修正後に再申請します。通常24時間以内、遅くとも3営業日以内に結果が出ます。
ステップ5:通らなければサポートへ問い合わせる。2回連続で同じ理由で落ちた場合、自力での特定は困難です。媒体のサポート窓口へ、「どの記述が該当するのか」を具体的に質問してください。
問い合わせの文面は、感情を入れず、事実と質問だけにします。効果的な構成は次のとおりです。
(1)アカウントIDと対象の広告ID。(2)表示された不承認理由。(3)実施した修正内容。(4)質問:どの記述が該当するかをご教示ください。
「なぜ落ちるのか分かりません、困っています」という書き方は、回答の質を下げます。事実を並べ、具体的な質問を1つに絞ってください。
復旧までの実務的な目安は、広告文の修正なら1〜2日、LPの修正が必要なら3〜7日です。この期間の集客の穴を埋める手段を持っておくことが重要になります(後述)。
不承認になった直後は焦ります。でも、この5ステップを飛ばして再入稿を繰り返した相談所は、だいたい3週間くらい溶かしています。急がば回れが、ここでは本当に正しい。
アカウント停止からの復旧——異議申し立ては実質1回勝負
広告の不承認とアカウントの停止は、まったく別の事象です。停止は事業者単位の措置であり、復旧の難易度が大きく上がります。
停止の主な理由は次のとおりです。
規約違反の繰り返し。同じポリシー違反を短期間に複数回。支払いの問題。決済失敗の放置、支払い手段の不一致。事業者情報の不一致。請求先の名義とLPの運営者情報が異なる。回避行為。停止されたアカウントと同一の事業者・LPで新規アカウントを作成する行為。サイトの信頼性の問題。運営者情報の欠落、連絡先が機能しない、実体の確認が取れない。
もっとも避けるべきは「回避行為」です。停止された状態で新しいアカウントを作り直すことは、多くの媒体で明確な規約違反にあたります。新アカウントも停止されるだけでなく、事業者単位のブロックに発展し、復旧が事実上不可能になるケースがあります。
復旧の正しい順序は次の3段階です。
段階1:停止理由の特定。管理画面の通知と、登録メールアドレスに届いている通知を確認します。理由が「複数のポリシー違反」といった包括的な記載の場合、過去の不承認履歴をすべて洗い出します。
段階2:原因の是正(着手前に完了させる)。異議申し立ての前に、すべての是正を終えておくことが決定的に重要です。申し立て後に修正しても、審査はすでに終わっています。
是正すべきものをチェックリストで潰します。運営者情報の記載。特商法表記の記載。プライバシーポリシーの設置。支払い手段の名義と事業者名の一致。過去に不承認になった広告文の全削除。LPからの不適切な表現の削除。
段階3:異議申し立て。実質的に1回勝負と考えてください。2回目以降の申し立ては、新しい是正内容がなければ通常は同じ結果になります。
異議申し立ての文面の構成は次の4部です。
(1)事実の確認:「◯月◯日にアカウントIDの停止通知を受領しました。理由として◯◯が示されています」。
(2)原因の認識:「確認の結果、LPに運営者情報および特定商取引法に基づく表記が欠落していたこと、広告文に成果を断定する表現が含まれていたことが原因と認識しております」。
(3)実施した是正:「◯月◯日までに次の是正を完了しました」として、箇条書きで具体的に列挙。修正後のURLも記載します。
(4)再発防止:「今後は入稿前に社内チェックリストによる確認を行います」。
避けるべき文面は明確です。「なぜ停止されたのか分かりません」(原因を認識していないと判断されます)。「他社も同じ表現を使っています」(他社の状況は判断材料になりません)。「事業に重大な影響が出ています」(影響の大きさは審査基準ではありません)。
認めるべき事実を認め、是正を具体的に示す。この2点だけで構成された文面が、もっとも通ります。
復旧までの期間は、早ければ3〜5営業日、長い場合は2〜4週間です。この期間、広告経由の流入はゼロになります。
異議申し立てで一番やってしまうのが「困っています」と書くことです。気持ちはわかるのですが、審査する側が見ているのは是正されたかどうかだけです。
停止リスクを分散する運用設計——依存度を50%以下に保つ
広告が止まる可能性はゼロにできません。だからこそ、止まっても事業が止まらない構造を先に作ります。
分散の4軸を設計します。
軸1:媒体の分散。1媒体に予算を集中させない。検索広告とSNS広告を併用し、どちらかが止まってももう一方が動く状態にします。予算配分の目安は、主力7割・副次3割。副次側は月2万〜3万円でも構いません。「止まったときに慌てて設定を作る」のではなく、動いている状態を維持しておくことに意味があります。
軸2:アカウントの分離。複数事業を運営している場合、事業ごとにアカウントを分ける。ただし同一事業で複数アカウントを作るのは回避行為とみなされるため、これは行いません。
軸3:支払い手段の冗長化。決済失敗による停止は、実は非常に多い停止理由です。予備の支払い手段を登録し、カードの有効期限をカレンダーで管理してください。年1回の確認で防げます。
軸4:流入経路の分散(最重要)。広告依存度を50%以下に抑えることが、根本的なリスク対策です。
依存度の測り方は単純です。月間の問い合わせ件数のうち、広告経由が何%か。これが70%を超えている相談所は、広告停止がそのまま事業停止を意味します。
代替チャネルの立ち上げには時間がかかるため、広告が動いているうちに始める必要があります。
SEO:リードタイム3〜6ヶ月。CPAは3,000〜8,000円と低く、一度上位化すれば止まりません。着手手順はSEO対策入門。
MEO:リードタイム1〜3ヶ月。地域名検索の比率が高い相談所ほど費用対効果が高い。実装はMEO対策の実践ガイド。
紹介:リードタイム6ヶ月〜。会員数が30名を超えたあたりから機能します。設計は紹介制度の作り方。
オフライン:チラシ・無料相談会・地域連携。媒体審査とは無関係に動きます。オフライン集客を参照。
比較サイト掲載:自社で審査を受けない流入経路として機能します。比較サイト・ポータル掲載。
広告が止まったときに初めて代替を探すのでは、3〜6ヶ月の空白が生まれます。そのあいだの固定費は止まりません。資金面の備えは資金繰り実務で扱っています。
指名検索を育てることも、実は最も強い分散策です。屋号で検索されるようになれば、媒体の審査に左右されない流入が生まれます。ブランディングの積み上げ方は仲人ブランディング戦略にまとめています。
広告依存度、一度計算してみてください。7割を超えていたら、それはもう集客の問題ではなく経営リスクの問題です。
審査を通す前提でのLP設計——最初から通る形で作る
後から直すより、最初から通る形で作るほうが圧倒的に速い。新規にLPを作る場合の設計要件を整理します。
必須ページ構成は次の4つです。
LP本体(サービス紹介・料金・問い合わせフォーム)。運営者情報(事業者名、代表者名、所在地、連絡先)。特定商取引法に基づく表記(役務内容、期間、対価、解約条件)。プライバシーポリシー(取得目的、利用範囲、開示請求窓口)。
後半3ページは、LPのフッターから常に到達できる位置に配置します。「問い合わせ完了後に表示」といった設計は不可です。
LP本体に入れるべき要素を、審査の観点から挙げます。
料金の総額感。初期費用と月会費を明示。「〜」だけの表記は避けます。
サービス内容の具体性。「出会いを提供」ではなく「専任カウンセラーによるお見合い設定、交際サポート」と機能で書く。
実績の記載方法。自社の実測値のみを、年次を添えて記載。業界平均を自社実績のように書かない。
体験談の扱い。掲載する場合、「個人の感想であり成果を保証するものではありません」の注記を添えます。収集と掲載の実務はお客様の声を集める方法で扱っています。
写真の権利処理。会員の写真を使う場合は使用許諾を書面で取得。フリー素材の人物写真を「お客様の声」に流用しないこと。
入稿前チェックリスト(10項目)を用意しておくと、不承認を大幅に減らせます。
(1)成果の断定表現がないか。(2)No.1・最上級表示がないか。(3)不安を煽る表現がないか。(4)身体的特徴への言及がないか。(5)料金の総額が分かるか。(6)運営者情報に到達できるか。(7)特商法表記に到達できるか。(8)プライバシーポリシーに到達できるか。(9)フォームが正常に送信できるか。(10)広告文とLPの記載が一致しているか。
この10項目を入稿のたびに確認するだけで、不承認は体感で7〜8割減ります。所要時間は5分です。
制作を外注する場合、この要件を発注仕様に明記してください。「LPを作ってください」だけで発注すると、必須ページが抜けたまま納品されます。発注管理の実務はホームページ制作・広告運用の外注先選びにまとめています。
10項目のチェックリスト、印刷して壁に貼っておくくらいでちょうどいいです。5分の確認で、3週間のロスが防げます。
よくある失敗パターン6つ
失敗1:不承認理由を読まずに再入稿を繰り返す。最頻の失敗です。管理画面にはポリシー名が表示されているのに、「不承認」の文字だけ見て表現を薄めた広告を出し直す。同じ理由で5回落ちるという事態になります。
失敗2:LPを直した直後に再申請する。クローラーの再取得が済んでいないため、古い内容で審査されます。修正から最低でも数時間、可能なら翌日に申請してください。
失敗3:停止されたのに新アカウントを作る。回避行為として、事業者単位のブロックに発展します。もっとも取り返しがつかない失敗です。
失敗4:異議申し立てで感情を書く。「死活問題です」「対応が不親切です」といった記述は、審査結果を変えません。事実と是正内容だけを書いてください。
失敗5:広告依存度を測っていない。問い合わせの何割が広告経由かを把握していない状態。停止して初めて、依存度の高さに気づきます。計測の型はKPI設計とKPIダッシュボード構築で扱っています。
失敗6:外注先に任せきりで、アカウントの所有権を持っていない。代理店名義のアカウントで運用していると、契約解除時にデータも履歴も引き継げません。広告アカウントは必ず自社名義で作成し、代理店には権限を付与する形にしてください。これは停止対応の初動速度にも直結します。
失敗3と6は、事後の回復が特に難しい類型です。この2つだけは、平時に確認しておいてください。
失敗6、意外と多いです。「アカウント誰の名義ですか」と聞いて即答できない場合は、今週中に確認してください。解約するときに初めて気づくと、履歴ごと消えます。
実例:アカウント停止から19日で復旧した相談所(月商98万円・広告依存度72%)
都市部で会員46名を抱える結婚相談所の事例です。個人が特定されないよう、経緯と数値は実態を保ちつつ調整しています。
停止時の状況。月商98万円、広告予算は月28万円。問い合わせの72%が検索広告経由という、典型的な広告依存型の運営でした。
停止の理由は「複数のポリシー違反」という包括的な記載でした。過去3ヶ月の不承認履歴を洗い出したところ、次の3系統の違反が積み上がっていたことが判明します。
成果の断定表現(「1年以内の成婚を目指せます」を「1年以内に成婚できます」と書き換えていた広告が4本)。LPの必須ページ欠落(プライバシーポリシーが存在せず、特商法表記はあったがフッターからリンクされていなかった)。支払い名義の不一致(登録カードが代表者個人名義、LPの運営者情報は屋号のみ記載)。
是正に要した期間は11日です。
1〜3日目:不承認履歴の全件洗い出しと、原因の3系統への分類。この段階で異議申し立てをしなかったことが、結果的に正解でした。
4〜7日目:LPの是正。プライバシーポリシーの新規作成、特商法表記へのフッターリンク追加、運営者情報への代表者氏名の追加。あわせて過去の広告文を全削除しました。
8〜11日目:支払い手段の名義を事業用に統一。並行して、入稿前チェックリスト(10項目)を作成しています。
12日目に異議申し立てを提出。文面は4部構成(事実確認・原因認識・是正内容・再発防止)でA4半ページ。是正内容は箇条書きで7項目、修正後のURLを併記しました。
19日目に復旧。停止から復旧まで19日間、広告経由の問い合わせはゼロでした。
この期間の実損は、問い合わせが月14件から4件へ減少。入会は月3件から1件へ。概算で月商ベース40万円相当の機会損失が発生しています。
停止を機に行った構造変更が3つあります。
広告依存度を72%から48%へ引き下げ(6ヶ月かけてSEOとMEOを立ち上げ)。広告アカウントを自社名義に変更(それまで制作会社名義だった)。入稿前チェックリストの運用を標準化(以後8ヶ月間、不承認ゼロ)。
オーナーの言葉として印象的だったのは、「停止されたこと自体より、代わりがなかったことが怖かった」というものでした。19日間、打つ手がなかったという経験が、広告以外のチャネルへ投資する決断につながっています。
地域の未婚人口をもとにした需要の見立ては総務省統計局の国勢調査、婚姻動向の把握は厚生労働省 人口動態統計が一次情報になります。商圏そのものの設計は商圏分析とエリア選定を参照してください。
「停止されたこと自体より、代わりがなかったことが怖かった」。この一言に尽きると思います。広告は止まるものだという前提で、もう一本の導線を持っておくこと。それだけで夜眠れます。
まとめ・次のアクション——今週やるべき3つのこと
広告の審査対策は、運用テクニックではなく体制の問題です。優先順に3つ挙げます。
アクション1:LPの必須3ページを点検する(所要15分)。シークレットウィンドウでLPを開き、フッターから「運営者情報」「特定商取引法に基づく表記」「プライバシーポリシー」の3ページに到達できるかを確認します。欠けていれば、それが不承認の主因です。今週中に設置してください。
アクション2:入稿前チェックリストを作る(所要30分)。本記事の10項目をそのまま使って構いません。入稿のたびに5分で確認する運用にします。不承認の7〜8割はこれで防げます。
アクション3:広告依存度を測る(所要20分)。直近3ヶ月の問い合わせのうち、広告経由の比率を算出します。50%を超えていれば、代替チャネルの立ち上げに着手してください。リードタイムが3〜6ヶ月かかるため、着手が早いほど有利です。
あわせて確認しておくこととして、広告アカウントの名義(自社名義か)、支払い手段の有効期限(年1回確認)、過去の不承認履歴(同じ理由が繰り返されていないか)の3点があります。
婚活・結婚相談所が媒体でセンシティブに扱われるという事実は、当面変わりません。ここで戦うのではなく、要件を満たしたうえで、広告以外の導線も持っておくというのが現実的な解です。
広告表現の法的な線引きは消費者庁(景品表示法)、契約に関する表示義務は消費者庁(特定継続的役務提供)を確認してください。集客チャネル全体の組み立て方は集客方法7選、なぜ問い合わせが増えないかの診断は集客できない5つの原因にまとめています。
NAMI-RENSAの結婚相談所マーケティング支援について
広告が止まっても集客が止まらない状態を作ること。それが、この記事でお伝えしたかった結論です。そのためには、審査に左右されない導線を、広告が動いているうちに育てておく必要があります。
NAMI-RENSAの結婚相談所マーケティング支援では、SEOコンテンツ制作・MEO(Googleビジネスプロフィール運用)・SNS運用・AIO/LLMO対策・LP制作・Google広告運用・Googleクチコミ獲得支援を提供しています。媒体審査を通る要件を満たしたLP制作と、広告依存度を下げるためのSEO・MEOの立ち上げを並行して進めることで、停止リスクを分散した集客構造へ移行します。
AI検索(ChatGPT・Claude・Gemini)経由の流入は、媒体の広告審査とは無関係に発生する導線です。AIO/LLMO対策により、「地域名+結婚相談所」の比較で自社が引用される状態を作ることは、広告リスクへの対策としても機能します。
さらにAI面談分析では、面談の録音をAIで解析し、見込み客が実際に使っている言葉を抽出します。審査を通る表現のなかで、どの言い回しが最も反応を取れるかを推測ではなく記録から決められるようになります。
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広告が止まった19日間で40万円分の機会を失った相談所の話、他人事ではありません。今日から3ヶ月、SEOとMEOに手をつけておくかどうかで、次に止まったときの景色がまるで違います。
よくある質問
Q. 結婚相談所の広告は、そもそも出稿できないのですか?
A. 出稿できます。禁止業種ではありません。ただし主要媒体では、婚活・結婚相談所は「出会い系および交際関連」に近いカテゴリとして扱われ、通常より厳格な審査が適用されます。具体的には、ターゲティングの制限(恋愛状況や個人的な悩みを推定する属性の利用制限)、広告文の表現制限(性的な示唆、不安を煽る表現、成果の断定)、LP側の要件(運営者情報・特商法表記・プライバシーポリシーの明示)が課されます。要件を満たしていれば継続して配信できている相談所は多数あります。
Q. 広告文だけを直したのに、また不承認になりました。なぜですか?
A. 審査対象は広告文だけではなく、リンク先のLPとサイト全体を含むためです。実務上、不承認の原因の6〜7割はLP側にあります。よくあるのは、運営者情報のページがない、特定商取引法に基づく表記がない、プライバシーポリシーがない、料金の総額が分からない、体験談に効果の断定が含まれている、といったものです。広告文を10回書き換えても、LPに欠落があれば通りません。まずLP側を点検してください。
Q. アカウントが停止されました。新しいアカウントを作り直せばよいですか?
A. 推奨しません。停止されたアカウントと同一の事業者・支払い手段・LPで新規アカウントを作成する行為は、多くの媒体で規約違反(回避行為)にあたり、新アカウントも停止されるうえ、事業者単位でのブロックに発展するリスクがあります。正しい順序は、停止理由の特定 → 原因の是正 → 異議申し立て、です。異議申し立ては実質的に1回勝負なので、原因を潰し切ってから提出してください。
Q. 「成婚率No.1」と書くのは広告審査の問題ですか、法律の問題ですか?
A. 両方です。媒体審査では成果や優位性の断定的表現として不承認の対象になり、法律面では景品表示法の優良誤認表示に該当し得ます。No.1表示を行う場合、調査の出典・調査期間・調査対象・調査方法を明示でき、かつ客観的な調査に基づいている必要があります。多くの相談所はこの要件を満たせないため、実務上は使わないのが安全です。表現の線引きは景品表示法・特定商取引法の観点で別途整理してください。
Q. 審査に落ちない広告の書き方に、共通の型はありますか?
A. あります。成果ではなくプロセスを書く、断定ではなく実績の範囲を書く、不安を煽らずに現状を提示する、の3つです。たとえば「絶対に結婚できる」ではなく「入会から成婚までの平均活動期間は13ヶ月です」。「独りで終わる前に」ではなく「30代からの婚活を、専任カウンセラーが伴走します」。数字を使う場合は必ず自社の実測値に限定し、業界平均を自社実績のように書かないことが重要です。
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