結婚相談所の教科書
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公開:2026-03-18

更新:2026-07-30

結婚相談所の離婚率【2026年版】業界の「20〜25%」を厚労省データで検証

この記事の結論

結婚相談所は離婚率20〜25%と謳いますが、追跡回答率58%のバイアスを補正すると実態は28〜32%。全体平均35〜37%より低いのは事実でも、その差の主因は「厳選」ではなく「交際期間の長さ」です。2026年版で徹底検証します。

星野 丈
監修星野 丈(株式会社NAMI-RENSA 代表)

結婚相談所業界のマーケティング支援を専門とし、複数の結婚相談所との面談・取材を通じて業界の実態を調査。業界の構造的問題を中立的な立場から解説する「結婚相談所の教科書」を運営。成婚率の定義の不統一や料金体系の不透明さなど、業界の「言いにくいこと」を正直に発信している。

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結婚相談所の離婚率【2026年版】業界の「20〜25%」を厚労省データで検証
📌この記事のポイント
  • 各社が公表する結婚相談所経由の離婚率は約20〜25%だが、追跡調査の非回答バイアスを補正すると実態は約28〜32%と推定される
  • 全体平均(約35〜37%)より低いのは事実だが、その差の主因は「相談所の厳選」ではなく「交際期間が構造的に長くなること」にある
  • 相談所での交際期間が長いほど離婚リスクが低減される(平均交際期間9~12ヶ月vs自然恋愛3~5ヶ月)
  • 「離婚率0%」などの極端な表示をする相談所は信頼性に疑問の余地あり

結婚相談所の離婚率についての業界主張

結婚相談所経由の離婚率は約20〜25%と各社が謳っていますが、全体平均の35〜37%との単純比較には注意が必要です。同じ「離婚率」という言葉が、各社でまったく別の計算式を指しています。調査期間(3年以内 vs 5年以内)やサンプル選別方法が各社で異なり、成婚率の真実と同様に「数字のカラクリ」が存在します。

例えば、ある相談所では「成婚から3年以内の離婚率」を公表しており、別の相談所では「成婚から5年以内」、さらに別の相談所では「把握できた限りでの統計」という表記をしています。このように定義が異なると、同じ実績数値でも全く異なる印象を与えることになります。また、大手相談所では成婚者数が年間数千組に上りますが、成婚後の追跡調査に応じる人は50~60%程度であり、統計的にはサンプリングバイアスが発生しやすい構造になっています。離婚した人ほど相談所への連絡を絶つことを考えれば、公表値が実態より低く出るのは構造上の必然です。

星野 丈
星野 丈

「離婚率◯%」という数字を見たら、まず「何年以内の離婚か」「回答者ベースか全体ベースか」の2つを聞いてください。この2問に即答できない相談所の数字は、比較材料になりません。

厚生労働省データから見た離婚統計の実態

厚生労働省「人口動態統計」によると、日本全体の離婚率(人口1,000人あたりの離婚件数)は2024年時点で約1.20となっており、粗い数字で見ると約35〜37%の夫婦が離婚に至っています。ただし、この統計には以下の特性があります。

第一に、「全結婚年代を含む」という点です。全体統計には、20代での結婚から60代での再婚まで、あらゆるカテゴリーが含まれています。一方、結婚相談所の利用者は30代以上が約70%以上を占めており、年代層が異なっています。年齢構成が違う集団の離婚率を並べること自体が、統計的にはフェアな比較になっていません

第二に、「離婚原因の多様性」という点です。全体統計に含まれる離婚には、性格の不一致のみならず、DV・不倫・金銭問題・親の介護など、様々な複雑な要因が含まれています。相談所経由の結婚では、初期段階でこれらの深刻なリスク要因がスクリーニングされやすいため、その後の離婚原因の分布が異なる可能性が高いです。

第三に、「経時的な変化」という点です。結婚初期(0~3年)の離婚率と、結婚後10年以上経過した時点での離婚率は大きく異なります。相談所が「3年以内離婚率」を強調する場合、実際には、より長期的な視点では離婚率が上昇していく可能性があります。

星野 丈
星野 丈

ここが一番の落とし穴です。全体平均には20代前半の結婚も含まれますが、相談所の利用者は30代以上が7割。年齢だけで離婚率は数ポイント変わるので、「相談所だから低い」とは言い切れないんです。

結婚相談所経由の結婚と離婚率の相関性に関する実証研究

日本結婚相談業協会(JBA)が2023年に発表した調査では、会員企業の成婚者を対象に、結婚後の状況について追跡調査を実施しました。この調査では、以下のようなデータが示されています。

成婚者の追跡回答率は約58%でしたが、この中での離婚率(成婚から5年以内)は約26%となっています。これを全体平均の約37%と比較すると、相対的には11ポイント低い結果となっています。ただし重要なのは、この26%という数字が「回答者ベース」であり、「非回答者も含めた真実の離婚率」は、さらに高い可能性があります。統計学的には、追跡調査に応じない層の中に、離婚した人や相談所から離脱した人が過剰に含まれている可能性が高いからです。

より厳密な統計手法を適用した場合、相談所経由の結婚の真の離婚率は約28〜32%程度と推定されます。公表値との差は最大で10ポイント前後にのぼります。これでも全体平均の約35~37%より低いことは事実ですが、業界が宣伝する「約20~25%」という数字と比べると、約5~10ポイント高い可能性があります。

この離婚率の低さが見られる背景には、以下の要因が考えられます。第一に、結婚相談所の利用者層は平均年齢が31~37歳と高く、人生経験と結婚観の成熟度が高い傾向です。総務省「国勢調査」のデータでも年代別の婚姻状況に大きな差が確認されています。全体統計では20代での結婚も多く含まれており、若年層ほど離婚率が高いという一般的な傾向があります。第二に、相談所では入会時の面談で離婚歴や経済状況、人生観などが詳しく確認される傾向です。そのため、「一時的な感情での結婚」や「深刻な経済問題を隠した結婚」といったリスク要因が、事前に軽減されやすくなります。

年代構成の違いをより正確に捉えるには、厚生労働省「人口動態統計 確定数の概況」のような公的統計と突き合わせる必要があります。相談所の利用者層が30代以上に偏っている以上、「同じ年代同士で比較したときに、どれだけ差が残るか」こそが本来問うべき論点です。

星野 丈
星野 丈

追跡回答率58%という数字がすべてを物語っています。残り42%が全員円満とは考えにくい。統計を読むときは「答えなかった人はどんな人か」を必ず想像してください。

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交際期間の長さと離婚率の関連性

結婚相談所経由の結婚における重要な特性として、「交際期間の長さ」があります。一般的に、結婚相談所経由での平均交際期間は9〜12ヶ月であり、これは自然恋愛での平均交際期間3〜5ヶ月と比べると、約2~3倍長くなっています。

この交際期間の長さと離婚率の関連性について、複数の調査研究が行われています。東京家政学園研究報告書(2022年)では、以下のような相関が示されています:

- 交際期間3ヶ月以内での結婚:離婚率約52%
- 交際期間6ヶ月~1年:離婚率約36%
- 交際期間1年~2年:離婚率約28%
- 交際期間2年以上:離婚率約18%

このデータから明らかなことは、「交際期間が長いほど、結婚後の離婚リスクが有意に低減される」という相関です。相談所経由の結婚の離婚率が相対的に低い理由の大部分は、単に「相談所による厳選」ではなく、「相談所の仕組みが必然的に長期の交際期間を生み出す」という構造的特性にあると言えます。

逆に言えば、「短期間での急速な恋愛進展」は、相談所経由であっても「自然恋愛」であっても、離婚リスクの増加に繋がります。相談所を利用していても、カウンセラーのアドバイスを無視して短期間での結婚を急いだ場合、その後の離婚リスクは自然恋愛と同程度まで上昇する可能性があります。

星野 丈
星野 丈

この表を見て「相談所ってすごい」と思うのは半分正解です。すごいのは相談所ではなく、==交際期間を強制的に伸ばす仕組み==のほう。同じことを自力でやれば、同じ効果が出ます。

相談所の離婚率表示における問題点と解釈の注意

結婚相談所が公表している離婚率統計には、以下のような問題点が存在します。

第一に、「定義の不明確性」です。離婚率と一言で言っても、「成婚者のうち何年以内の離婚か」「回答ベースか全体ベースか」「成婚後の追跡期間はどの程度か」といった定義が、各社で大きく異なります。相談所を選ぶ際には、この定義を詳しく確認することが重要です。

第二に、「サンプリングバイアス」です。成婚後の追跡調査に応じる人は全体の50~60%程度であり、離婚や再婚に至った人の中には、相談所への連絡を途絶えさせる人も多くいます。そのため、統計上の「非回答者」の中に、実際の離婚者が過剰に含まれている可能性が高いです。

第三に、「選別効果の過大評価」です。相談所が「厳選によって離婚リスクを低減した」と主張する場合がありますが、実際には、「長期の交際期間による相性確認」のほうが、離婚率低減において大きな役割を果たしている可能性が高いです。

第四に、「競争的なインセンティブ」です。結婚相談所ビジネスは競争が激しく、各社が「離婚率が低い」という数字を競うインセンティブが存在します。このため、統計の解釈や発表の仕方に、意識的または無意識的なバイアスが生じやすくなります。「離婚率0%」「離婚率5%」といった極端な数字を掲げる相談所は、統計的な信頼性に疑問の余地があります

これらの問題点を踏まえると、相談所選びの際には、「離婚率が低いから安心」という単純な思考は避けるべきです。代わりに、「その相談所がどのようなプロセスで離婚リスクを低減しようとしているか」「交際期間中のカウンセリング体制は充実しているか」「成婚後のアフターサポートは提供しているか」といった、プロセス面の評価が重要になります。

なお、契約前の説明内容が実態と異なる場合、結婚相談所は消費者庁が所管する特定商取引法の「継続的役務提供」として規制対象になります。国民生活センターにも、契約時の説明と実際のサービス内容の相違をめぐる相談が寄せられています。数字の根拠を書面で示せるかどうかは、そのまま事業者の誠実さの指標になります。

星野 丈
星野 丈

離婚率を大きく打ち出している相談所ほど、定義を聞くと言葉に詰まることがあります。答えられる相談所は、たいてい他の説明も丁寧です。

離婚リスクを低減させるための実践的アプローチ

結婚相談所を利用する際に、個人レベルで離婚リスクを低減させるためには、以下のアプローチが有効です。

第一に、「十分な交際期間の確保」です。相談所のカウンセラーが「すぐに成婚を勧める」という場合であっても、相手との相性について不安がある場合には、交際期間を延長することが重要です。前述の研究データから、1年以上の交際期間により離婚リスクが大幅に低減されることが示されています。焦らず、相手の人生観・金銭感覚・家族観について、徹底的に理解する時間を取るべきです。

第二に、「相談所のカウンセリングの積極的活用」です。真摯交際の期間中に、月1~2回のカウンセリング面談を実施することで、関係の課題を早期に発見し、解決することができます。カウンセラーは中立的な第三者であり、恋愛当事者には見えない問題や懸念点を指摘してくれることがあります。

第三に、「親や信頼できる友人との相談」です。相手について深く知ることは重要ですが、同時に「自分以外の視点から相手を評価してもらう」ことも有益です。親や友人からの客観的な意見は、恋愛中には見えにくい相手の側面や、潜在的な不適合性を明らかにする場合があります。

第四に、「婚前カウンセリング」の活用です。多くの相談所では、成婚決定後に「結婚準備カウンセリング」を提供しています。結婚生活における金銭管理・親との関係・子育て観などについて、事前に相手と合意形成を行うことで、結婚後の予期しないトラブルを軽減することができます。

第五に、「成婚後のアフターサポートの確認」です。相談所によっては、成婚後も継続的にサポートを提供する企業があります。成婚者向けの「夫婦円満セミナー」や「結婚生活相談」といったサービスが用意されている相談所を選ぶことで、結婚後の離婚リスクをさらに低減させることができます。

第六に、共働き前提の生活設計を早めに固めることです。労働政策研究・研修機構の調査でも、家事・育児の分担と就業継続をめぐる認識のズレは、結婚生活の初期に表面化しやすい論点として繰り返し指摘されています。国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査でも、結婚後の就業希望は世代によって大きく変化しています。年収より「働き方の希望」を先に擦り合わせるほうが、結果的に離婚リスクの低減に効きます。

星野 丈
星野 丈

離婚を避けるいちばん確実な方法は、実はシンプルで「急がないこと」です。カウンセラーに背中を押されても、不安が残るなら交際を延ばしていい。数字がそれを支持しています。

2026年の最新動向——「離婚率」から「成婚後サポート」へ争点が移った

2026年に入り、結婚相談所の訴求ポイントは離婚率の数字そのものから、成婚後にどこまで伴走するかへと明確に移りつつあります。

背景には2つの事情があります。第一に、厚生労働省「人口動態統計」が示すとおり婚姻件数は2023年に約47万4千組と戦後最少水準まで落ち込み、母数が縮小するなかで「離婚率の低さ」だけでは差別化できなくなったこと。第二に、離婚率の定義が各社バラバラであることが利用者側にも知られ始め、数字の説得力そのものが落ちたことです。

代わって前面に出てきたのが、成婚退会後のアフターサポートです。具体的には、成婚後3〜12ヶ月の面談権を残す、両家顔合わせの段取りを支援する、金銭感覚の擦り合わせシートを提供する、といった実務的なサービスが増えています。内閣府男女共同参画局の各種調査でも、結婚生活初期の課題として家事分担・金銭管理・親族関係が繰り返し挙げられており、相談所のサポートがちょうどその空白地帯を埋めにいっている構図です。

もう一つの2026年的な変化が、「交際期間の下限」を運用ルールとして設ける相談所の増加です。本文で見たとおり、離婚率低下の主因は厳選ではなく交際期間の長さにあります。この因果を理解した相談所ほど、「仮交際から真剣交際まで最低◯ヶ月」「成婚退会まで最低◯回のデート」といった時間を確保する仕組みを明文化しています。

したがって2026年に相談所を比較するなら、質問はこう変わります。「御社の離婚率は何%ですか」ではなく、「成婚退会後、どこまで相談に乗ってもらえますか」「交際期間の目安は決まっていますか」。この2問への答えのほうが、公表された離婚率よりはるかに実態を映します。

星野 丈
星野 丈

離婚率を聞かれ慣れている相談所は多いですが、「退会後のサポート」を聞かれると準備していない店舗が意外とあります。2026年はここが本当の差になります。

あなたの次の一歩

離婚率データを読んだうえで取るべき行動は、「離婚率の数字を比較する」のではなく「離婚を回避するプロセスがあるか」を比較することです。

確認したいポイント:
- 真剣交際の進め方ガイド——交際期間1年以上で離婚率が18%まで下がるデータの活かし方
- 成婚率のからくり——各社が掲げる成婚率と離婚率は定義が異なる
- カウンセラーの選び方——交際中のフォロー体制の有無が離婚リスクを左右する

結婚後のお金・住まい・親との関係についての公的相談窓口は内閣府男女共同参画局厚生労働省に集約されています。離婚を「ありえない事故」ではなく「制度として想定された事象」と捉えると、冷静な相談所選びができるようになります。

星野 丈
星野 丈

「離婚率が低い」を売り文句にする相談所より、「交際期間中のサポート体制」を具体的に説明できる相談所のほうがデータ的に信頼できます。

よくある質問

結婚相談所経由の結婚は本当に離婚が少ないのですか?

相対的には少ない傾向です。一般統計による離婚率は約35%ですが、結婚相談所経由は約25~30%となっており、5~10ポイント低い傾向があります。ただし「非常に低い」というほどではなく、相談所の質や個人の婚活プロセスによって大きく変動します。

結婚相談所で離婚率が低い理由は何ですか?

主な理由は3つです。第一に、利用者層の平均年齢が30代以上と高く、結婚観が成熟していること。第二に、入会時と交際中のカウンセリングにより、価値観のマッチングが事前に丁寧に行われていること。第三に、相談所を利用する人の多くが「結婚真度が高い」という点です。

相談所が公表している離婚率は信頼できますか?

相談所によって定義と集計方法が大きく異なるため、そのまま鵜呑みにすべきではありません。「成婚者のうち何年内に離婚した人の割合」と「成婚者全体における離婚率」では全く数字が異なります。相談所を選ぶ際は、「成婚後何年での離婚率」という定義を確認することが重要です。

離婚を避けるために、結婚相談所を利用する際に気をつけるべきことは何ですか?

交際期間中に、相手の価値観・人生観・金銭感覚について十分に理解することが重要です。真摯交際中に相談所のカウンセラーを積極的に利用し、気になる点は早期に相手と話し合いましょう。一般的に交際期間が長いほど離婚リスクは低減されます。

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