結婚相談所の教科書
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公開:2026-09-21

更新:2026-09-21

「独身税」の正体は子ども・子育て支援金【2026年版】年収別の負担額を一次資料で確認

この記事の結論

2026年4月に始まった子ども・子育て支援金が「独身税」と呼ばれています。実際は公的医療保険の加入者全員が対象で、独身かどうかで額は変わりません。こども家庭庁の年収別試算では被用者保険の本人拠出分が年収400万円で月384円。一次資料の数字だけを整理しました。

星野 丈
監修星野 丈(株式会社NAMI-RENSA 代表)

結婚相談所業界のマーケティング支援を専門とし、複数の結婚相談所との面談・取材を通じて業界の実態を調査。業界の構造的問題を中立的な立場から解説する「結婚相談所の教科書」を運営。成婚率の定義の不統一や料金体系の不透明さなど、業界の「言いにくいこと」を正直に発信している。

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「独身税」の正体は子ども・子育て支援金【2026年版】年収別の負担額を一次資料で確認
📌この記事のポイント
  • 「独身税」は制度名ではなく俗称。実体は2026年4月分から始まった子ども・子育て支援金で、公的医療保険料に上乗せして徴収される
  • こども家庭庁の年収別試算(令和8年度・被用者保険の本人拠出分)では、年収200万円で月192円、400万円で月384円、600万円で月575円、800万円で月767円、1,000万円で月959円
  • 支援金率は令和8年度で被用者保険一律0.23%。年収に率を掛けた額を労使で折半するため、独身・既婚・子の有無で金額が変わる仕組みにはなっていない
  • 令和8年度の平均月額は健保組合で被保険者1人あたり約550円、国民健康保険で1世帯あたり約300円、後期高齢者医療制度で被保険者1人あたり約200円
  • 年収600万円の人の負担は年6,900円。当編集部が集計した結婚相談所の1年総額目安は全国平均で約470,600円であり、婚活の費用とは桁が2つ違う

「独身税」という制度は存在しない——最初に用語を整理する

2026年に入ってから、「独身税」という言葉をSNSやニュースで目にする機会が増えました。婚活中の方から「独身でいると税金を取られるんですか」という質問を受けることもあります。

先に結論を書きます。「独身税」という名前の税金や制度は存在しません

報じられているのは、2026年4月分から始まった子ども・子育て支援金です。こども家庭庁:子ども・子育て支援金制度についてが一次資料で、そこには次のように整理されています。

- 公的医療保険(健保組合・協会けんぽ・共済組合・国民健康保険・後期高齢者医療制度)の仕組みを使って徴収する
- 令和8年(2026年)4月分から拠出が始まる
- 被用者保険の加入者は5月給与から天引きが開始される
- 徴収した支援金の使途は法律で子育て支援関係に限定されている

つまり税金ではなく、医療保険料への上乗せという建て付けです。

では、なぜ「独身税」と呼ばれるのか。理由は単純で、使途が子育て支援に限定されているのに、負担は子どもの有無に関係なく発生するからです。子育て世帯以外には見返りが実感しにくい。この非対称が「独身税」という呼び名を生みました。

当編集部は制度の賛否には立ち入りません。この記事で扱うのは、一次資料に書かれている数字だけです。

星野 丈
星野 丈

婚活中の方から「独身だと罰金みたいなものを取られると聞いた」と相談されたことが何度かあります。そのたびに一次資料を一緒に見るのですが、読むと拍子抜けされる方が多いです。まず用語を正すところから始めましょう。

年収別の負担額——こども家庭庁の試算をそのまま見る

こども家庭庁は、医療保険制度ごとの年収別試算を公表しています。ここでは被用者保険(協会けんぽ・健保組合・共済組合)の数字を見ます。

令和8年度・被用者保険の年収別支援金額(被保険者一人当たり・月額)

年収月額(本人拠出分)年額換算
200万円192円2,304円
400万円384円4,608円
600万円575円6,900円
800万円767円9,204円
1,000万円959円11,508円

算出方法も公表されています。年収(標準報酬総額。毎月の給料とボーナスの合計額)に、国が示す一律の支援金率0.23%を掛けて年額を出し、12で割った月額に1/2を掛ける。残りの1/2は事業主が負担します。

この表で確認しておきたいことがひとつあります。表の軸は年収だけです。独身かどうか、子どもがいるかどうか、既婚かどうかという欄はありません。

「独身税」という呼び名から想像される「独身者だけに課される負担」という仕組みには、なっていません。同じ年収600万円なら、独身の方も、子どもが3人いる方も、月575円です。

国民健康保険と後期高齢者医療制度の試算も公表されています。

- 国民健康保険(夫婦と子のいる世帯・1世帯当たり月額):年収200万円で400円、250万円で550円、300万円で650円
- 後期高齢者医療制度(単身・年金収入のみ・1人当たり月額):年収175万円で100円、200万円で200円

国民健康保険については、高校生年代までの子は均等割額が全額軽減されるため、子の数で支援金額は変わらないと注記されています。金額は各自治体の条例で決まるため、表の数値はモデル試算です。

星野 丈
星野 丈

表を見るときは「本人拠出分」という但し書きに注目してください。会社員の場合、同じ額を会社も負担しています。ニュースで見かける金額が給与明細の数字と合わないときは、労使合計で書かれていることが多いです。

制度全体の規模——令和8年度は6,000億円

個人の負担額だけでなく、制度全体の規模も一次資料に記載があります。

支援金総額の段階的な導入

- 令和8年度(2026年度):概ね6,000億円(0.60兆円)
- 令和9年度(2027年度):概ね8,000億円
- 令和10年度(2028年度):概ね1兆円

3年かけて段階的に引き上げる設計になっており、初年度の負担が最終形ではないという点は押さえておく必要があります。年収600万円の被用者保険加入者の月575円という数字も、令和8年度の値です。

令和8年度の平均月額(推計)

- 健保組合:被保険者一人当たり 約550円
- 国民健康保険:一世帯当たり 約300円
- 後期高齢者医療制度:被保険者一人当たり 約200円

比較のために、同じ資料が参考として挙げている数字を並べます。40歳〜64歳で健康保険組合に加入している方の介護保険料は、被保険者一人当たり月額4,900円程度(事業主負担分を除いた本人拠出分)。支援金550円は、介護保険料の約9分の1の水準ということになります。

もうひとつ、制度の建て付けとして法律に書かれていることがあります。支援金は社会保障の歳出改革などによる社会保険負担軽減の範囲内で導入すると法定されており、令和8年度の軽減効果0.60兆円程度の範囲内に総額0.60兆円を収めたと説明されています。

当編集部はこの説明の評価には立ち入りません。一次資料にそう書かれている、という事実の確認にとどめます。制度は今後改定される可能性があるため、最新の数値は必ずこども家庭庁のQ&Aでご確認ください。

星野 丈
星野 丈

「3年で1兆円まで増える」という部分は、初年度の数字だけ見ていると見落とします。今年の負担額で判断せず、2028年度の姿まで一次資料で確認しておくのが安全です。

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婚活の費用と並べてみる——桁が2つ違う

ここからは、当編集部が持っているデータと並べて考えます。

年収600万円の会社員の場合、支援金の本人拠出分は年6,900円です。

一方、当編集部が全国3,849社の結婚相談所を集計した結果、料金の全国平均は次のとおりでした。

- 初期費用:平均97,732円
- 月会費:平均12,842円
- 成婚料:平均218,803円
- 1年間活動して成婚した場合の総額目安:約470,600円

支援金の年6,900円に対し、結婚相談所の1年総額は約470,600円。約68倍、桁にして2つの差があります。

この比較には意味があります。「独身税を取られるくらいなら結婚したほうが得」という語られ方を見かけますが、金額の規模がまったく違うため、支援金の負担を理由に婚活の是非を判断するのは合理的ではありません

逆の言い方もできます。支援金は年収600万円で月575円。この金額で婚活を諦める理由にも、始める理由にもなりません。判断材料としては小さすぎるというのが、数字から言える結論です。

結婚相談所の費用そのものをどう抑えるかは費用を抑える7つの方法、総額の組み立ては費用シミュレーションで扱っています。また自治体には結婚新生活支援事業などの助成制度があり、条件を満たせば数十万円規模の支援を受けられる場合があります。詳細は自治体の婚活支援をご覧ください。

星野 丈
星野 丈

月575円と年47万円を並べると、話題になっている金額がいかに小さいかが分かります。むしろ自治体の新生活支援のほうが、金額のインパクトは何十倍も大きいです。そちらを調べるほうが実利があります。

統計で見る——「独身が多数派に近づく」という背景

支援金が導入された背景には、少子化と未婚化があります。ここは当編集部が継続して扱ってきた領域です。

総務省統計局の国勢調査によると、50歳時未婚率(いわゆる生涯未婚率)は2020年時点で男性28.3%・女性17.8%です。1970年の男性1.7%・女性3.3%から、半世紀で男性は約17倍になりました。

厚生労働省の人口動態統計が示すとおり、婚姻件数も長期的な減少が続いています。母数が減り続ける環境で少子化対策の財源を確保する、というのが支援金の政策的な位置づけです。

ここで、婚活を考えている方にとって実務的に意味がある数字をひとつ挙げます。未婚率は年収帯によって大きく異なります。当編集部が生涯未婚率の記事で整理したとおり、年収300万円未満の層では未婚率が5割を超えます。

「独身税」の議論で語られる月数百円より、この構造のほうが個人の人生への影響は圧倒的に大きいというのが、データを並べたときの率直な感想です。

婚姻数の長期推移は結婚率・婚姻率の推移、結婚年齢の実態は結婚の平均年齢で扱っています。市場全体の動きは結婚相談所の市場規模をご覧ください。

なお、これらの統計は調査年が異なります。国勢調査は5年ごと、人口動態統計は毎年公表されるため、引用する際は必ず調査年を確認してください。

星野 丈
星野 丈

年収と未婚率の関係は、見ていて気持ちのいいデータではありません。ただ事実として存在するので、目をそらさずに扱っています。所得の話は個人の努力だけで解決する問題ではない、という前提で読んでいただければと思います。

よくある誤解を3つ整理する

当編集部に寄せられた質問のうち、一次資料で解消できるものを3つ挙げます。

誤解1:独身者だけが払う
違います。公的医療保険の加入者が対象で、独身・既婚・子の有無を問いません。年収別試算の表に、婚姻状況の欄は存在しません。子育て世帯も同じ仕組みで負担します。

誤解2:結婚すれば払わなくてよくなる
違います。婚姻届を出しても支援金の額は変わりません。変わるのは年収と加入する医療保険制度です。ただし配偶者の扶養に入るなど、加入する保険が変わる場合には金額が変わります。

誤解3:給与から引かれる金額がニュースの数字と違う
多くの場合、本人拠出分と労使合計を混同していることが原因です。被用者保険では支援金率0.23%を掛けた額を労使で折半するため、給与明細に表れるのは半分です。年収600万円なら本人575円・事業主575円という構造になります。

この3つ以外の疑問については、こども家庭庁のQ&Aに一次情報がまとまっています。制度は改定される可能性があるため、金額を判断材料にする場合は必ず最新版をご確認ください

なお、給与明細の見方や社会保険料の扱いで不明な点がある場合は、お勤め先の担当部署か、加入している健康保険組合へ直接お問い合わせいただくのが確実です。

星野 丈
星野 丈

誤解2は本当によく聞かれます。「結婚したら払わなくて済むんですよね」と言われるのですが、そうではありません。結婚するかどうかは、この制度とは切り離して考えてください。

婚活の判断材料として、この制度をどう扱うか

ここまでの数字を、婚活の意思決定という文脈に置き直します。

第一に、支援金は婚活の判断材料にならない。年収600万円で月575円という金額は、結婚相談所の月会費平均12,842円の約4.5%です。この金額差で活動を始めるか諦めるかを決めるのは、合理的ではありません

第二に、金額のインパクトが大きい制度は別にある。自治体の結婚新生活支援事業は、条件を満たせば最大60万円規模の補助が受けられる自治体もあります。支援金の年6,900円と比べれば、こちらを調べるほうが実利があります。詳細は結婚相談所の費用と自治体助成で整理しました。

第三に、制度の議論と個人の選択を混ぜないこと。「独身税があるから結婚する」という動機は、現場の仲人から見ても続きにくいものです。婚活を始める理由は、制度ではなく自分の生活設計から出てくるほうが強いというのが、取材を通じた実感です。

婚活を始めるかどうか迷っている段階の方は、婚活の始め方婚活手段5つの比較から読み始めていただくと、費用と手段の全体像がつかめます。

制度のニュースは今後も出てきます。そのたびに数字が独り歩きしますが、一次資料の表を1枚見れば、たいていの誤解は5分で解けます

星野 丈
星野 丈

「独身税ができるらしいから婚活を始めた」という方に何人かお会いしましたが、動機としては長続きしにくい印象です。数字を正しく知ったうえで、それとは別に自分の理由を持っていただくのがいいと思います。

まとめ——あなたの次の一歩

一次資料で確認できた事実を整理します。

- 「独身税」という制度は存在しない。実体は2026年4月分から始まった子ども・子育て支援金
- 公的医療保険料への上乗せで、独身・既婚・子の有無で金額は変わらない
- 被用者保険の年収別試算(本人拠出分・月額)は200万円で192円、400万円で384円、600万円で575円、800万円で767円、1,000万円で959円
- 支援金率は令和8年度で一律0.23%、労使折半
- 総額は令和8年度6,000億円から令和10年度1兆円へ段階的に引き上げ
- 年収600万円の負担は年6,900円。結婚相談所の1年総額目安約470,600円とは桁が2つ違う

次の一歩として現実的なのは、「自分の年収帯の行を表で確認して、この話題を終わらせる」ことです。金額が分かれば、判断材料として扱うほど大きくないことがすぐに分かります。そのうえで、婚活を進めるかどうかは別の軸で考えてください。

独立メディアからのおすすめ: 生涯未婚率の構造 / 自治体の婚活支援 / 婚活費用シミュレーション / 全国3,849社の独自調査 も参考にしてください。

※本記事の制度に関する数値は、こども家庭庁が公表した令和8年度の資料に基づいています。制度は改定される可能性があるため、実際の負担額は必ず一次資料と加入先の保険者でご確認ください。

星野 丈
星野 丈

この記事で一番伝えたかったのは「調べれば5分で終わる話だった」ということです。話題になっている言葉ほど、一次資料を見ると拍子抜けします。数字の出どころを確認する習慣は、婚活でも同じように役立ちますよ。

よくある質問

独身税という税金は実際にあるのですか?

ありません。「独身税」は制度名ではなく俗称です。報じられているのは2026年4月分から始まった子ども・子育て支援金で、税金ではなく公的医療保険料に上乗せして徴収される仕組みです。こども家庭庁の資料によれば、健保組合・協会けんぽ・共済組合・国民健康保険・後期高齢者医療制度の加入者が対象で、独身・既婚・子どもの有無にかかわらず負担します。使途が子育て支援に限定されている一方で負担は全加入者に及ぶため、「独身税」という呼び名が広まりました。

子ども・子育て支援金は月いくら引かれますか?

加入する医療保険と年収で決まります。こども家庭庁が公表した令和8年度の被用者保険(協会けんぽ・健保組合・共済組合)の年収別試算では、被保険者一人当たりの月額が年収200万円で192円、400万円で384円、600万円で575円、800万円で767円、1,000万円で959円です。これは事業主負担分を除いた本人拠出分で、同額を事業主も負担します。支援金率は令和8年度で一律0.23%です。国民健康保険や後期高齢者医療制度は各自治体の条例で決まるため、モデル試算での提示になっています。

結婚すれば支援金を払わなくて済みますか?

済みません。子ども・子育て支援金の額は年収と加入する医療保険制度で決まり、婚姻状況では変わりません。こども家庭庁が公表した年収別試算の表にも、独身か既婚かという区分は存在しません。同じ年収600万円であれば、独身の方も子どもが3人いる方も月575円です。ただし結婚を機に配偶者の扶養に入るなど、加入する医療保険制度そのものが変わる場合には金額が変わります。結婚するかどうかの判断とこの制度は、切り離して考えることをおすすめします。

支援金の負担額は今後増えますか?

段階的に引き上げられる設計です。こども家庭庁の資料では、支援金総額を令和8年度(2026年度)は概ね6,000億円、令和9年度は概ね8,000億円、令和10年度は概ね1兆円とすることが目安として示されています。したがって年収600万円で月575円という令和8年度の水準は、最終形ではありません。一方で法律上、支援金は社会保障の歳出改革などによる社会保険負担軽減の範囲内で導入することとされています。最新の数値は必ずこども家庭庁の公表資料でご確認ください。

支援金の負担を考えると婚活を始めたほうが得ですか?

金額の規模から見て、判断材料にはなりません。年収600万円の被用者保険加入者の支援金は年6,900円です。一方、当編集部が全国3,849社を集計した結婚相談所の料金は、初期費用平均97,732円・月会費平均12,842円・成婚料平均218,803円で、1年間活動した場合の総額目安は約470,600円になります。約68倍、桁にして2つの差があるため、支援金を理由に婚活の是非を決めるのは合理的ではありません。費用面で効果が大きいのは自治体の結婚新生活支援事業などの助成制度です。

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